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三重県知事へ提出した要望書

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要望書

三重県知事 鈴木英敬様
「度会町・南伊勢町 風力発電事業(仮称)」計画に伴う保安林の解除について

度会町南部にある水源かん養保安林の解除につきましては、
下記の理由により強く反対致しますので、ご回答を頂きたくお願い申し上げます。

1.保安林解除申請に至る過程
 平成23年11月 5日に度会町南中村区において、区長から代議員会が招集され、「度会町・南伊勢町 風力発電事業(仮称)」の計画が安藤建設から説明されました。初めての説明にもかかわらず、資料は安藤建設会社紹介、事業計画位置図、計画スケジュール(各1ページ)が示され、ほとんど説明のないまま計画地を含む保安林の早急な解除申請への同意を求められました。説明が不十分であること、重大な内容であることから、改めて区民全員への説明が必要であるとの意見があり、11月12日に臨時区会が招集されました。同様の説明がされた区会で、水源の破壊や健康被害を懸念する意見が多く出されたにもかかわらず、一部区民の強い要望で採決も取らずに度会町へ一応の保安林解除陳情をするとされました。同区会では、2月から5月に詳細な説明がされた特に改めて保安林解除を論議するとの話しであったにもかかわらず、度会町行政はすでに県知事への保安林解除の申請を進めてと聞いています。十分な資料や説明が無く、採決も取らない非民主的な進め方で多数の区民の同意を得ていない保安林の解除申請に反対します。

2.「度会町・南伊勢町 風力発電事業(仮称)」の自然環境への影響
同計画は、度会町と南伊勢町の境界にある山の山頂領域に高さが120mを超える巨大な風力発電機を15基設置する計画です。そのためには、山頂付近の広大な領域を削って平地を作り、膨大な量のコンクリート基礎を埋め込む必要があります。また、削られた大量の土砂で、近隣の谷を埋めて整地します。計画地のすぐ下には、度会町を縦断して流れる一之瀬川の源流があり、度会町簡易水道の取水口および上・中組地区の共同水道があります。建設によって地盤が弱くなるとともに保水力も低下するので、雨量の多いときには崖崩れを起こし、大量の土砂が一之瀬川に流れ込む危険が高くなります。その結果、水道の水源が破壊されます。また、流れ込んだ土砂によって河床が上昇し、河川の氾濫を起こす危険が高くなります。昨年の台風12号の時は、一之瀬川中流の小萩-駒が野間および一之瀬川と宮川の合流地の伊勢市神薗地区が冠水し、道路が通行不可になりました。また、農地も重大な被害を受けました。このように、同計画は安全な飲料水水源を破壊し、伊勢方面への唯一の交通路を遮断するだけでなく、度会町南部および伊勢市南部の主要産業である農業に甚大な被害を起します。住民の安全と安心を破壊する風力発電事業に反対します。

3.大型風力発電事業による健康被害
 近年、日本各地に建設された多数の風力発電所が運用されることによって、様々な問題が明らかになってきました。特に問題となっているのは、“頭痛”、“耳鳴”、“不眠”、“イライラ”などの風車病と呼ばれる健康被害です。風車の回転に伴って発生する低周波がその原因と考えられていますが、医学的に十分解明されていないこともあり、これを規制する法律は現在の日本にはありません。また、これらの被害は個人差が大きく、被害を補償する法律も無いため、風力発電による被害を事業者および自治体が認めていません。「度会町・南伊勢町 風力発電事業(仮称)」の計画地は、南中村地区の人家から1.6 km、川上地区の人家から1.7 kmのところにあります。周辺地区は川沿いの谷に人家があり、音が伝わりやすく、反響なども大きい地形です。そのため、同地区住民の健康被害が強く懸念されます。住民の健康被害を引き起こして生活を破壊するだけでなく、その原因を規制したり被害を補償する法律もない風力発電事業に反対します。

4.地区住民の安心・安全な生活スタイルの破壊
 度会町は、宮川とその支流一之瀬川との谷沿いに人々が暮らし、町域の大部分を占める山林に守られた自然豊かなおだやかな町です。町を流れる二つの川は清流として知られ、そのきれいな水は良質なお茶やおいしい米を育てるだけでなく、伊勢湾に流れ込んで豊かな漁場を育んでいます。今では度会町に住む多くの人が町外で働く人ようになりましたが、安全で健康的な生活の場が保たれているのは、二つの清流とそれを育む豊かな山林のおかげです。この豊かな自然環境こそが度会町の財産であり、将来にわたって町と人々のくらしを支えていくおおもとであることは間違いありません。  私たちは、化石燃料が限られていることや、再生可能な自然エネルギーを活用していかなければならないことは十分理解しています。しかし、度会町の豊かな自然環境や住民の健康的な生活を、将来に渡って破壊することは止めさせなければなりません。そのためには、風力発電を含め、太陽光・太陽熱、小水力発電、バイオマスエネルギー、燃料電池など、様々な再生可能な自然エネルギーの分散利用の技術や高効率なエネルギー利用技術など利点欠点や将来の可能性について検討していかなければなりません。自然環境や人々の健康的な生活を脅かすことには断固として反対していくとともに、将来に渡って度会町の豊かな自然環境と共存し、人々が安全で健康な生活を送れるような自然エネルギーの利用形態を模索していきます。

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